第三者と共有している公衆用道路がどのような土地なのか教えてください。
相続した不動産の中に、第三者と共有になっている「公衆用道路」という土地がありました。全く面識のない方と共有になっているのですが、この土地はどういった土地なのでしょうか。
詳細な調査をしなければ断定はできませんが、ご相談の土地は、一般的には「私道」である可能性が高いと考えられます。
私道とは、公道のように誰でも自由に通れる道路とは違い、個人または民間団体が所有している土地を道路として使用しているものをいいます。私道は原則、その所有者の承諾がないと通行できない道路です。
私道と公道を比較した場合、下記のような違いや制約があります。
@所有形態
A維持管理費
私道を共有している場合、維持管理を行うための工事等に共有者の同意が必要となり、思うように工事が進まないこともあります。
B不動産価値の問題
公道に接している土地と比較して、私道にのみ接している土地は自由に通行ができない土地であるため、不動産の価値が低くなる傾向があります。ただし、位置指定道路や開発道路など、住宅や土地の分譲時に整備された私道で、公共団体に寄附されていないものについては、一般的に不動産の価値に大きな影響はありません。
上記のように、私道には様々な制約があります。私道に接する土地を所有しているような場合には、その土地と私道が一体となっていますので、その土地を利用するために必要な道路といえます(共有ではなく、道路を複数に分筆して、その私道に接している土地の所有者が、それぞれ私道の一部を所有していることもあります)。
しかし、中には私道だけ所有していることもあります。その場合、私道の維持管理の費用負担が生じるだけでなく、私道に接している土地の所有者から、建物建築やライフラインの引き込みなど、様々な場面で承諾を求められることもあります。
また、近年では相続登記がなされず、私道の共有者が不明な場合もあり、私道に関する同意の取り付けが困難になっていることが問題視されています。将来的なトラブルを避けるためにも、可能であればご自身の代で、共有者へ贈与または譲渡などをされたほうがよいでしょう。
そのためには、まずはご相談の土地の所在を確認し、それが接道用の私道となっているのか、あるいは私道単独で所有しているのかを調べることが重要です。